いつもの料理も美味しさアップ、レシピの幅も広がる「香り米」とは?おすすめレシピ3選
「香り米」という言葉を聞いたことがありますか?あまりなじみのない方もエスニック料理店でのジャスミンライスやインド・パキスタンレストランでのカレー料理店で、バスマティを食べたことがあるのではないでしょうか?「香り米」とは玄米の段階で香りのあるお米のことです。海外で作られているイメージが強いかもしれませんが、実は日本国内でも数種類生産され、味や香りにも定評があるようです。今、注目を集める国内外の「香り米」についてご紹介します。
2017年09月29日更新
記事の目次
[1]「香り米」とはどんなお米?
香り&成分は?
「香り米」の成分についてははっきりと確定していない要素も多いのですが、現在ではアセチルピロリンという成分によって香りを発していると考えられているようです。このアセチルピロリンは米粒の外側に多く含まれているため、精米の割合が高いと香りが弱くなってしまいます。
また、標高が高く昼夜の気温差が大きい場所で栽培した方が香りが強くなる、高温で乾燥させてしまうと香りが減少するなどの性質ももっているようです。日本では全国各地で古くから栽培されていたようですが、流通量は非常に少なく、評価も高くはありませんでした。しかし近年、高知県、宮城県、青森県、宮崎県などを中心に「香り米」の改良、再評価に力を入れ、売上を伸ばしているようです。
「香り米」はアメリカではポップコーン、ナッツなどの香りと例えられるようですが、日本では茹でた枝豆、アズキなどの香りがすると表現され、その香ばしさが食欲を増進させると評価されています。香りの強い品種の場合は普通の米に3~7%ブレンドして使われるのが一般的です。
人気の品種は?産地は?
国内
●ヒエリ
高知県で栽培されているヒエリは国産の香り米のなかではもっとも作付面積が広いと言われています。在来品種から選り分けられ育成された米で、冷水に強い品種であることから「冷選り(ヒエリ)」と言われるようになったようです。普通の米よりも粒が大きく、香りも強いのが特徴です。白米にブレンドして使います。
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白米に5~10%ブレンドして炊くことでポップコーンのような香ばしい香りが広がります。
●さわかおり
ヒエリの改良品種として高知県農業技術センターが育成した香り米。ヒエリよりも香りが強いのが特徴です。安定した香ばしい香りが評判。
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人気の香り米をブレンドした商品。白米にブレンドして香りを楽しみましょう。
●はぎのかおり
宮城県で在来の香り米を品種改良して育成させた「みやかおり」をさらに品種改良して誕生させた「はぎのかおり」。宮城県の推奨品種として東北中南部で広く栽培されています。黄金色の稲の美しさと炊き上がりの米の味を秋の七草の萩にたとえ、「はぎのかおり」と命名されました。白米に好みの割合でブレンドして炊き上がりの香りを堪能しましょう。
●サリークイーン
パキスタンの香り米「バスマティ」と昭和後期に日本でもっとも栽培されたうるち米「日本晴」を交配して誕生させたのが「サリークイーン」です。細長でやや小さめの粒、柔らかく粘り気が少ない、軽くさっぱりした食感などが特徴です。国産香り米としてエスニック料理などを中心に使用されることが多く、定評があります。静岡、滋賀、鳥取などで栽培されることが多いようです。
国外
●バスマティ(インド、パキスタン)
インド、パキスタンで栽培されるバスマティは数百年の歴史を誇り、世界的にもっとも有名な香り米のひとつです。特にヒマラヤ山麓で作られるものは品質が高く、高価なブランド米として扱われています。細長い粒と香ばしい香りが特徴で、食感はパラパラとしています。日本にも多く輸入されサフランライスやバターライスなどの料理に使われ、親しまれています。
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最高級グレードのバスマティライス。インドカレーに合わせてサフランライスかバターライスにするのがおすすめです
●カーオホームマリ(タイ)
通称「ジャスミンライス」と呼ばれるタイで栽培される高品質の香り米。世界的にももっとも有名な香り米と言えそうです。粒は細長く、パラパラとした食感で香りがよいのが特徴。ジャスミンライスと名付けられていますが、ポップコーンのような香ばしい香りがします。エスニック料理などに使われる人気の品種です。
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家庭で作るエスニック料理を本格的に仕上げたい方は高品質のジャスミンライスがおすすめです。
[2]「香り米」についてもっと知りたいQ&A
炊飯器で炊けるの?
香りが強く白米とブレンドして炊く品種(ヒエリ、さわかおり、はぎのかおりなど)は炊飯器で炊くこともできます。ジャスミンライスやバスマティなど香り米だけで炊く品種の場合は鍋を使って米を茹でるような感覚で調理するのがおすすめです。
少し芯が残るくらいのところでお湯を切り、水分を飛ばすようにパチパチという音がするまで火にかけます。その後数分間、鍋にフタをして蒸らすと出来上がり。白米を炊くよりもずっと早く、手軽にできるはずです。
無洗米なの?
米を研ぐ目的はぬかのニオイを取るためです。香り米は芳しいニオイを残すために基本的には米を洗いません。1度水ですすぐ程度で十分のようです。
通販で買えるの?
ジャスミンライス、バスマティなどの海外品種をはじめ多くの香り米はオンラインで販売しています。Amazon、楽天などでも多数の取り扱いがあるのでチェックしてみましょう。また、各地のお米店でもオンラインの販売、電話やファックスなどの受付による通販を行っているところが多いので問い合わせてみましょう。
[3]「香り米」人気品種別おすすめ料理とレシピを紹介
カーオホームマリ(ジャスミンライス)
本格的なエスニック料理を作るならジャスミンライスを使うのが王道です。チャーハン、ピラフ、リゾット、ナシゴレン、タイ風お粥、グリーンカレーの付け合わせライスなどにもおすすめ。ジャスミンライスの粘り気がなくパラパラとした食感は汁物との相性が抜群です。
中華がゆ
《材料》2人分
・ジャスミンライス 100g
・砂肝 3個
・鶏ガラスープ 1000l
・ごま油 大さじ3
・長ネギ 1/2本
・ブラックペッパー 小さじ1/2
・醤油 大さじ2
・ごま油 小さじ2
・塩 一つまみ
《作り方》
- ジャスミンライスは研がずにサッと水で1回すすぐ。
- 砂肝は水で洗い、厚さ1㎝程にスライスする。
- 鍋に(1)と(2)鶏ガラスープ、ごま油を入れて、1時間ほど煮込む。
- 長ネギは長さ3㎝くらいの千切りにする。
- (4)とブラックペッパー、ごま油、塩を混ぜ合わせておく。
- (3)が煮込み終わったら⑤を混ぜ合わせたらできあがり。
《ポイント》
・ジャスミンライスを使用することで1時間煮込んでもサラッとした食感で食べることができます。
・砂肝がない場合は代わりに鶏肉を薄くスライスして使用しても大丈夫です。
サリークイーン
国産のサリークイーンは手に入れやすいのが魅力。カレーに添えるバターライスやサフランライス、チャーハン、ピラフなどの料理が向いていると言われています。消化がよく、さっぱりと食べられるので、夏場の食欲が落ちている時期などにも最適です。米はさっとすすぎ、パスタを茹でるような感覚で調理できます。
鮭ときのこのバター醤油ライス
《材料》
・サリークイン 2合
・水 米と同量にする(醤油・酒も込で)
・醤油 大さじ2
・酒 大さじ1
・バター 20g
・塩 1つまみ
・鮭の切り身 2切れ
・しめじ 1パック
・玉ねぎ 1個
・にんにく 1片
・月桂樹の葉 1枚
・バター お好みで
《作り方》
- サリークインはさっと洗い、水気を切っておく。
- 玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。しめじは石づきを取り、半分にカットして、バラバラにほぐしておく。
- フライパンにバター半分量、にんにく、玉ねぎ、しめじを入れて、焦がさないようにしんなりなるまで軽く炒める。
- 炊飯器に①と③、水と調味料、残りのバター、鮭の切り身、月桂樹の葉を入れて炊飯器で炊く。
- 炊き上がったら、鮭の身をほぐして、お好みでバターを加えて、混ぜたらできあがり。
《ポイント》
・サリークイーンの本来の炊き方は、お鍋で茹でるという調理法ですが、今回はご家庭でも手軽に炊飯器で炊くレシピをご紹介です。
・(3)が面倒という方はそのまますべて炊飯器に入れて、炊いてもらっても大丈夫です。
ヒエリ
「ヒエリ」はかなり香りが強いので白米にブレンドした上で、カレー、ピラフ、チャーハンなどエスニック料理に合わせるのがおすすめです。また味の濃い丼物、おにぎりなどにも使う方が多いようです。どちらかというと白米の味や食感でエスニック料理を楽しみたい方が、米の香づけのために使うという場合が多いようです。
シンプルゴマ塩おむすび
《材料》
・米 2合
・ヒエリ 大さじ3
・水 米とヒエリと同量
・塩 小さじ1/2
・白ごま 大さじ1
・黒ごま 大さじ1
《作り方》
- 米を洗い、炊飯器に入れる。
- ヒエリはさっと、水で洗い、水気を切り炊飯器に入れる。
- 米とヒエリの同量分の水を入れて、2時間ほど浸水させてあげる。
- 炊く。
- 炊き上がったら、あらかじめ混ぜ合わせておいた塩と白ごま、黒ごまを混ぜ合わせて、おむすびを握ったらできあがり。
《ポイント》
・全ての香り米に共通していることですが、洗う時はさっと1回水を通すくらい。しっかりすると特徴である香りがなくなってしまいます。
・シンプルなおむすびですが、何も具材が入っていなくても香ばしさを感じることができる仕立てになっています。
[4]「香り米」を取り入れて、毎日の料理をより本格的にレベルアップ!
バスマティやジャスミンライスで人気のカーオホームマリなど人気の輸入品から、ヒエリやサリークイーンなどの国産までさまざまな品種がある「香り米」。作る料理に合わせて白米から「香り米」に変えるだけで、本場の味に近づくことができるはずです。また、主食である米のバリエーションが増えることで新しいレシピに挑戦したくなることもあるかもしれません。手軽に購入できる「香り米」でより楽しい食生活を送りましょう。